2023年11月26日に実施された技術士第一次試験を受けてきたので、どれぐらい勉強したかや感想をレビューしたいと思います。
自己紹介
- 大学院生(M2)
- 来年から一般企業に就職予定(メーカーの技術系)
- IPAのエンベデッドシステムスペシャリスト試験(高度試験)に合格済み
受験動機
就活も一段落した2023年4月頃に、家族から「技術士でも受けておけば?」と言われたのがキッカケです。それまで技術士という資格があることも知りませんでした。
調べてみると技術士になるには、一次試験と二次試験が必要で、二次試験には実務経験が必要らしい。なるほど。
一次試験は3つの科目をそれぞれ受験して合格しないといけない。詳しく調べてみると、IPAの高度試験に合格していると専門科目(情報工学部門)が免除されるとのこと。この時ちょうどエンベデッドシステムスペシャリスト試験に合格したタイミングだったので、残り科目(基礎科目、適性科目)に合格すればよい。ラッキー。
来年からメーカーで就職予定なので、いつかは技術士の資格持っておいたほうがいいのかなぁと思いました。また最終的に技術士になるには、まず一次試験に合格しておかないといけないし、時間使って勉強できるのは学生のうちだけかなと。また専門科目が免除されるというのも決め手になり、受験を決めました。
受験申し込み
受験申し込み期限がかなり早いです。6月頃に受付期間があります。
そして、2023年度は試験地が12都道府県しかありません。試験って全国で開催されるものではないの?とびっくりしました。ちなみに私は大阪在住なので、試験会場がありました。よかったです。
あとはお金を払って完了です。¥11,000もするので大学生の自分にとってはかなり痛手でした。
勉強方法
勉強方法としては「基礎科目」「適性科目」ともに、過去問 → 知らないところを調べるの繰り返しで勉強しました。過去問は過去問.comと問題集を使用しました。過去問はメルカリで2021年度版を購入しました。
3週間前ぐらいから勉強を始めましたが、時間があるときに1日30分~1時間ほど勉強していました。合計で15時間ぐらい勉強しました。
- 1週目:適性科目の暗記(技術士法・その他関連法令)
- 2週目:基礎科目でよく出てくる公式を覚える
- 3週目:過去問をひたすら解く
適性科目
適性科目は覚えるしかないので、4年分ぐらい問題集を解きました。技術士法などの問題(3義務2責務など)は最初は分からないので、解説を見てひたすら暗記しました。
一応、大学院でも技術者倫理に関する授業は必修で受けていたので、初見でも6割ぐらいは解けましたが、よく出る問題は解けるようにひたすら覚えました。
基礎科目
基礎科目は5つの群に分かれていますが、そのうち2群(情報・論理に関するもの)は自分の専門なのでほぼ勉強しませんでした。なので、2群以外の過去問を解いて、解説を見るということを繰り返しました。
1群(設計・計画に関するもの)は、システム設計などは大学院で勉強したことがあったので、そこまで苦労しませんでした。一方で材料力学(ひずみ、応力など)は専門外なので、公式を覚えました。
3群(解析に関するもの)は、行列や微積分などは大学の授業で勉強したことがありました。また力学(モーメント・張力・固有振動数)は一から勉強するのは無理だと感じたので諦めました。
4群(材料・化学・バイオに関するもの)は、まったくの専門外なので、大学受験だけの知識で挑みました。直前に公式(1mol=22.4Lなど)だけ詰め込みました。
5群(環境・エネルギー・技術に関するもの)は、適性科目に似ているところがあり、また範囲が広すぎるので覚えることを諦めました。
半分正解すればいいので、自分の戦略としては1群・2群で全問正解、3群・4群・5群で1問ずつ取ればいいかなと考えていました。
受験当日
専門科目はないので、試験は13時30分からです。
会場は家から40分ぐらいだったので、12時前に家を出て、途中でお昼ごはんを食べて会場に向かいました。
筆記用具と電卓は忘れずに持っていったのですが、時計を忘れてしまい少し焦りました。(結果的には試験時間は余ったので大丈夫でした)
また試験前に本人確認書はいらないと言われたので、どうやって本人確認するんかなぁと思っていたのですが、試験中に試験官が回って事前(申込時)に提出した顔写真と照合していました。
適性科目
自己採点の結果としては、10/15(66.7%)でした。
間違えた問題は「3,4,12,13,14」の問題です。以下に自分が悩んだ問題をいくつか列挙します。問題はこちらからご覧ください。
また解説記事も書いていますので、よかったらご覧ください。
Ⅱー3
①と②で迷いました。公務員は適用除外があるみたいなことを聞いたことがあったので②にしたのですが、公務員の適用除外があるのは「労働基準法」でした。
Ⅱ-7
全部あってそうかなと思いましたが、(イ)の「多数決により」という部分が気になりました。
(イ) (~省略~)意見の相違が存在するときは科学者コミュニティ内での多数決により統一見解を決めてから助言を行う。
令和5年度技術士一次試験 適性科目 Ⅱー7
統一見解を持つというのはまだ納得できますが、それを多数決で決めるっていうのは変な感じがしました。なのでこれを✕にしました。
Ⅱ-9
「失敗事例」はまったくわかりませんでした。”原因”の部分が間違っていると踏んで考えた結果①②④で迷い、④の「原設計やノウハウを理解していなかった」ではなく「適切な保守をしていなかった」ではないかと思い、④にしました。
答えは合っていたのですが、ゴンドラの「落下」ではなく「上昇」が間違いとのこと。”原因”の部分が間違っているのではなく、”結果”の部分が間違っているというオチでした。
基礎科目
自己採点の結果としては、13/15(86.7%)でした。
間違えた問題は「Ⅰー3-3,Ⅰー5-3」の問題です。以下に自分が悩んだ問題をいくつか列挙します。問題はこちらからご覧ください。
Ⅰ-2-1
最初は①②③が適切かなと思いました。ただ①「定期的にパスワードを変更する必要はない」というのは聞いたことがあったので、たぶん①だろうと思ったのですが、自信がなかったので他の問題を解きました。正解は①だったそうです。
②「PINコードは総当たり攻撃される」もPINコードが6桁程度なら総当たり攻撃されるのでは?と思ったが、よくわからない。試行回数上限があるから?
③「生体認証は本人がいないと認証は成功しない」は、指紋のコピーをとれば本人がいなくても認証できるみたいな話かな?
Ⅰ-5-6
技術と科学の関係で間違っているのを選ぶ問題。
試験の1週間前ほどに大学であった講演で、「理由はわからないが、牛痘にかかると天然痘にかからないことが経験則で知られていた」「そこで世界初のワクチンとして牛痘が用いられた」ということを聞いていたので、そこからの発想で解けました。
まとめ
そこまでたくさん勉強した訳ではないですが、(自己採点では)合格することができそうです。
社会人になって歳を取ると大学や高校で勉強したことはほとんど忘れてしまうと思いますが、まだ大学院生なので昔覚えた知識を活用することができました。
また専門科目を受験していないので、3科目受験するとなるともっと勉強時間が必要かもしれません。
ただIPAの高度試験を持っているとコスパは良いと思うので、時間に余裕がある大学生のうちに取っておくのをオススメします。